KYB製 ショックアブソーバ
KYB試作 M35ステージア(2WD用)ダンパー装着インプレッション。
(装着確認、走行確認はKYB社依頼の専門ガレージで行っています)
NEW SR Special | ベーシックタイプ。 5万km以上の走行で、性能が劣化したノーマルダンパーのリフレッシュに最適なアブソーバ。 |
Lowfer Sports | ローダウン用。 見た目の良さと、ロールセンターの低下による走行性能の向上を狙いつつ快適な乗心地を求めたダウンサスと組み合わせるアブソーバです。 |
項目は、①乗心地②ハンドリング・ロール特性(減衰特性)、取り付け確認等です。 ※KYB社は設定車全てに装着確認を行い、ノーマルと同様に取り付け出来る事を前提にしております。
フロント | 左 | 右 |
---|---|---|
キャンバー | -1°21′ | -1°00′ |
キャスター | 8°14′ | 8°16′ |
トー | 0.4mm | 0.4mm |
SAI | 4°58′ | 4°54′ |
リヤ | 左 | 右 |
---|---|---|
キャンバー | -1°12′ | -1°10′ |
トー | 1.4mm | 1.3mm |
- フロント・リヤ共に数値上キャンバー角が強めに見えますが、実際の走行やタイヤ摩耗に関しては極端に影響が出る数値ではないかと。
イ
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プ
レ
ッ
シ
ョ
ン
路面状態の良い所では非常にフラット! 高速道路でのレーンチェンジでも、乗用車に比べ重たく重心位置が高いワゴンボディーにも関わらず不快な揺れを感じにくい。路面状況が悪い所に関しては、一般道で良くある路面の細かなウネリやワダチ、マンホールの盛り上りの通過時等は、ショックの減衰力の強さを主張する事無くタイヤからの入力をいなし、縮んだ後に来るスプリングのバウンドはしっかりダンパーの伸び減衰力で抑えている感じでフワフワ感は良く抑えられているといます。今までの強化ショックの様に減衰力が強すぎる突き上げ感はほとんど感じず、ダンパーが効いているがソフトな印象。
普通に交差点を曲がる分にはノーマルでも不満を感じる事は少ないでしょうが、高速道路のランプやちょっとしたワインディングでの走行時、ワゴンだけにステアリングを切っても本格的にコーナリングフォースが働くまで、1テンポ置く(車が傾く)時間が必要でしたが、変更によりその1テンポがほぼ感じられなくなり、スッとノーズが入って行く感じで、タイヤの接地感もしっかり伝わって来ます。また、コーナリング中もスプリングの反力をダンパーがしっかり制御している為、フワフワ・ふらふらせず視線が安定し非常に運転し易い。(あと5~7mm車高が高ければもっと良いかな。)これは速度を上げてコーナリングせよと言う意味ではなく、運転が疲れにくくなると言う事と、例えば急に前方で障害物が発生した場合の回避時も安定して対処(車もドライバーも)でき、結果事なきを得る可能性が増えるとお考え頂きたい。
スタート時の後に仰け反る様な挙動が無くなり、前後のピッチングが視線を乱したりする事が減り、多分後席の人も車酔いを感じなくなるのではないでしょうか。 ブレーキングは明らかにノーズダイブが減少し好フィール。ブレーキの効きが向上したと言うよりも、ブレーキシステムの本来の制動力が出た感じ。視線の安定と共に精神的に余裕が生まれ、安全運転に繋がると思います。
まとめ
今回のLowfer Sportsとダウンサスの組合せは、手軽にローダウンしつつスポーティーにしながら、同乗者含め乗心地の快適性も求める場合かなり満足度の高い組合せではないでしょうか。LowferSportsは純正と比べ10mmショートストローク設定となっているので、ローダウンで失われたストローク(-34mmから10mm引くと24mmダウンした時と同じストローク量を確保出来る)取り戻し、動きに余裕を持たせる事が出来るで、足回りの動きに純正ダンパーとの組合せの場合よりも制約を与えません。お勧め度は高いと思います。しかしハードなセッティングを求めるにはやはり車高調整式になるでしょう。又、NEW SR Specialでも同様の減衰特性を持っていますので、ノーマルスプリングに対してのアブソーバのリフレッシュを考えている場合でも、硬過ぎず余分な横揺れ(ローリング)前後揺れ(ピッチング)抑えてスムーズな走行性能が得られると思います。