ブレーキメンテナンスの必要性

世の中の乗り物の中で何よりも大切なのはブレーキですね。
例え1000馬力のスポーツカーでもブレーキが無かったら動かす事は出来ません。 また、ブレーキの性能が維持されていて、ドライバーがブレーキペダルを踏んだ時予想した感覚と実際の制動力がリンクしていると非常にドライブし易く、ただ単にパワーが多い車より運転が楽しいですよね!!  このブレーキについてです。

ブレーキの効き、フィーリングは気にしていますか?


ブレーキの効きもメンテナンスによって性能が大きく変わります。ブレーキシステムはいくつかのパーツによって出来ています。

  • ブレーキマスターシリンダー【ペダルを踏んだ力をフルードに伝える物】
  • ブレーキフルード【ペダルを踏んだ力をキャリパーに伝える液体】
  • ブレーキホース【フルードの圧力を落とさず伝えるホース】
  • キャリパー・パッド(シュー)【ブレーキローターを挟んで止める物】
  • ローター【タイヤと同じ回転をしている円盤】

等で、それぞれのパーツは経年変化や走行距離を重ねる事により劣化・消耗・汚れが進みます。オイルやグリースが使われている部品には定期的なメンテナンスが必要で、このメンテナンスによって新車時と同様な安心・安全が長続きします。

ブレーキキャリパーピストン、ブレーキパッド、ローターは、貴方がブレーキを踏む毎に発熱をし、その熱交換作用により速度を落とします。 高速回転になればなるほどブレーキを踏むと温度が上昇します。 その温度は一般的でも200℃~300℃となり、高速からの急ブレーキでは400℃を越える場合も有ります。
ブレーキキャリパーピストンは、ブレーキペダルを踏む事により、力を与えられたブレーキフルードにより外に押し出され、パッドをローターに押し付けて車速を落とします。
このピストンやスライドピンが動く部分にグリースが塗布されていますが、高温にさらされる事によってグリースが乾き潤滑性が無くなり動きがスムーズではなくなってきたり、グリースの乾いた物がゴミとなってくる場合が有ります。
さらに、高温・冷却、高温・冷却を繰り返す度に結露が発生し、場合によっては水分=サビの発生となり、これもスムーズな部品の動きの妨げとなります。
また、ブレーキパッドは削れてダストを作り、埃や泥水の中でも繰り返し作動を行なっているのです。
この様な過酷な状況の中、点検も何もせず使用し続けていると、最悪は固着により動かなくなり、パッドの片当り(斜めに力が掛かってしまう)症状が出る事も有ります。

ピストン、スライドピンに作動不良が起こると、パッドをローターに均等に押し当ててパッドの性能を発揮させる事が出来なくなり、ブレーキ性能が低下(パッド当り面の減少による有効面積不足、引きずりによる走行抵抗増大、異音の発生)し、“ブレーキが効かない”となってしまいます。

ブレーキシステムの作動、性能を維持するにはやはりメンテナンスが必要です。一般的にはパッド交換時にクリーニングを行い、ピストンの動きや、スライドピンのスムーズな作動を確保し、パッドシムのクリーニングによって、システムの性能を維持する事をお勧めします。

カーレックスのブレーキメンテナンス

カーレックスでは、通常のパッド交換作業に追加オプションとして、キャリパーのクリーニングとメンテナンスを行なうメニューが有ります。(1,500円税抜き)
パッド性能をしっかり味わって頂くと共に現状のブレーキシステムの状態を説明しております。 内容は、

  • パッドスライドシム、パッド装着部清掃
  • ピストン点検・清掃
  • スライドピン点検・清掃
  • ピストン摺動部、スライドピン摺動部グリスアップ
これらの作業でピストン・スライドピンの点検・作動確保が出来、ダストブーツその他シール類の点検を行ないますので殆どの車両の作動性能を維持できると思います。 また、状態が更に悪い場合はキャリパーの完全オーバーホールも承っております。

現在の市販車はノーマルでもきちんと機能を発揮すれば一般的な使用では減速性能に不満は無いと思いますし、どんな大容量のブレーキシステムが付いていても、パーツに完全な仕事をさせなければ意味は有りません。 カーレックスはその為のメンテナンス専門ショップです。

現在の国産市販車の技術レベルでは、ブレーキは効くのがあたり前で、あまり気にされていないドライバーの方が多いです。 確かに、頻繁にトラブルが出る事はありません。なんたって日本車ですから! しかし、ブレーキはトラブルが出た時はドライバーが対処出来ない場合(ぶつかる、飛び出す等々)が考えられますので、日頃の点検や技術のある工場での定期的な点検を行なう事をお勧め致します。

▲ローター研磨中

▲ローター比較